Tatoubiは瀬戸内の恵みで作られたバスグッズブランドです。
ブランド名であるTatoubiは、瀬戸内の風景の美しさを称えた言葉、「多島美」から取られています。私たちは瀬戸内の文化、歴史を次世代へとつなぎ、その知恵を次の世代へとつなぎ、新しい時代のエシカルな価値観に合った製品を作っています。
そして7月18日(月・祝)の海の日に、Tatoubiブランドのオープニングイベントを倉敷市松島の松島分校美術館にて行いました。
松島にて、廃校になった学校を再利用し美術館を運営されている美術家の片山さん、また現在たった1人の島民として活動されている地域おこし協力隊の脇村さんらにイベント運営にてご協力頂き、開催の運びとなりました。
オープニング
当日は朝、児島観光港に集合し、チャーター船に乗りこみ出発です。
波がきらきら光る中、瀬戸大橋の下をくぐると、松島が見えてきます。
島の正面に松島分校美術館が現れます。
到着された参加者の皆様には、最初にTatoubiバスソルトにてお世話になっている岡山夢百姓さんの手塩をかけて育てた無農薬ハーブの素晴らしさを伝えるため、 オーガニック・バタフライピーを使ったサイダーを振舞いました。
付属のレモンを絞ると、なんとバタフライピーが酸と反応して色が鮮やかに変化する仕掛けが。自然の青色の美しさが瀬戸内海の海と空の青に映えます。
その後、参加者一人一人のチェキを撮影し、全員に向かって自己紹介をして頂きます。
参加者の方々はイベントの丸一日、仮想の共同体として一緒に行動するため、ただのイベントの参加者としてではなく、お互いに個として認識して頂く意図があります。 そのため一人一人チェキを撮影し、自己紹介(自己表現)を写真を通してして頂き、それを壁に貼りました。
島内散策/昼食
その後、Tatoubi担当者からイベント参加のお礼とブランドに関する説明などをさせて頂いた後、松島唯一の島民である脇村さんによる島内ツアーを行いました。
松島は瀬戸内海最小の有人島ですが、その島の中には色々なものが残っており、平安中期の大反乱、承平・天慶の乱の一つである純友の乱を起こした藤原純友を祀った神社などもあります。ほぼ無人島となってしまった現在から、過去の松島の軌跡がツアーをしているうちに見えてきます。かつてあった松島の時間と自然を感じる豊かな時間です。
また、ブランドで開発したバスソルトの体験足湯も外にて行い、無農薬ハーブであるコモンマロウとカモミールが入ったバスソルトを体験して頂きました。 寒天シートに包まれた中身を巾着に入れ、参加者の方がお湯の中で揉むと、自然由来の鮮やかな色がはっきりとお湯に出ています。コモンマロウからは瀬戸内の海水のような深みと多面性があるブルー、そしてカモミールからは優しい日の光の様な黄色がにじみ出てきます。
瀬戸内の塩、漢方生薬、ハーブが合わさったバスソルトの自然な香りを皆様楽しまれてました。
島内ツアー後は、昼食として松島でとれたわかめを使ったわかめご飯とわかめスープが参加者に振舞われました。「瀬戸内海の恵み」がTatoubiのテーマの一つでもあるため、その恵みの一つである松島の天然わかめと岡山かきがらアグリのきぬむすめ米を使ったわかめご飯を皆様に味わって頂きました。だしがきいたわかめご飯と隠し味の牡蠣醤油がたまらないスープは大好評。本当の給食の時間のように、参加者の方々のお代わりの列ができました。
分校に残っていた給食用の食器を利用しました。 かつての分校の給食時間の記憶とイベントの時間がリンクするような、不思議な感覚です。
ブランドプレゼンテーション
昼食の後は、Tatoubiにインターン生として参加している学生たちによる、ブランドプレゼンテーションが始まりました。
プロダクトであるバスソルトのフレーバーやそのストーリーを紹介するプレゼンは、クイズを交えて盛り上がりました。
ワークショップ「こっきをつくろう!」
最後は、グループワークショップである「こっきをつくろう!」です。
松島を独立国家と見立て、その国の国旗を個人、そしてグループ毎に作り、発表をするというワークショップでした。
直接グループで話し、国や共同体の決め事を決定することは、間接民主制である現代ではあまり行われていませんが、
ここでは松島の各グループを国の共同体と見立て、直接民主的な取り決めを疑似体験するワークショップです。
最初は個人で国旗を作り、最終的にグループで1つ国旗を制作し、発表という流れでしたが、
みなさん切り絵など様々な方法で制作を行い、クリエイティビティがいかんなく発揮された国旗を作ってくださいました。
個人で作った国旗はワークショップの最中に壁にて吊るし、皆様お互いのデザインを和気あいあいと鑑賞されていました。
そして最後はグループで作った国旗の発表タイムです。 なんと、皆さん限られた時間にも関わらず大作を作り上げており、スタッフ一同感動しました。
こちらはなんと、ネパール形式で普通の国旗とはまた違う形で作って下さっています。しかも旗としても作り上げるだけでなく、立てるための台まで紙でDIYされています。 国旗には小さな色とりどりの魚たちが描かれており、メンバーの方が松島に到着された際の風景を反映させているとか。
こちらのグループは、瀬戸大橋をイメージした国旗です。少し紙を飛び出した赤い線は、瀬戸大橋であり松島のMであり、なんと人と人とのご縁を結ぶ運命の赤い糸を表しているということで…ロマンティックで作りこまれた国旗のシンボルに、思わず歓声があがります。
ここはバスソルトの「晴」と晴れの国おかやまを重ね、太陽を真ん中に置いた国旗。どこかひだまりのような優しさを感じるグループの方々の発表に、雰囲気がほんわかとします。
こちらのグループは、色で多様性を表した国旗。グループのメンバーがそれぞれ色々な考え方を持ち、個性豊かな風景を色のパッチワークの様なデザインで示しています。
そして最後のグループの国旗が出された瞬間、ざわめきが起きました。 真ん中に見られるのは…人の顔?と疑問に思っていると「これは唯一の島民である脇村さんです。」とのこと。 たった一人の島民なら、王みたいなことだろうと国旗に組み込んだそうです。 人の顔が入っている国旗なんてあまりないのでは…個性的な国旗に笑いが起きます。
様々なプレゼンとワークショップと盛りだくさんでしたが、皆さんが積極的に参加して下さり、イベントは素晴らしいものとなりました。
今回はオープニングイベントとして、こういった催しをさせて頂きました。
これからもTatoubiは定期的にアートや学びを交えた参加型のイベントを開催していきます。
Writer
tatoubi art project / 山本 ちあき